本日(2022年11月11日)の日経の記事です。※有料会員限定記事
今はもうこんなこともAIでできるんですね・・・。
もともと凸版印刷には手書き文字を自動で解読するAI-OCR技術があるようです。
その名も「Tegaki」。
このページの掲載事例を見ると「こんなのも読めるのか!!」と思いますよね。
訂正印を押されている手書き文字も、ちゃんとその部分は無視して読み取っていたりして優秀です。
記事によれば今回の技術は、昔(明治期~戦前)の手書き文字を解読させるべく、数百万枚の古文書をAIに学習させたものだそうです。
現状の認識精度は85%だが、これを90%以上に高めていくとか。
サービス開始は2023年4月とのこと。あと半年あまりです。
凸版はもともと古文書を解読するアプリ(下記記事)を出しているようですが、これをよりお金になる市場で使おう、というのが今回のリリースの内容かもしれません。
凸版は本日記事の見出しの通り、「物件の相続業務支援」に触手を伸ばそうとしています。趣味の古文書解読用途だと限定的かもしれませんが、相続分野となると商機は多いでしょう。相続登記も義務化されますし。
AIに仕事を奪われる・・・と常々言われていた司法書士業務ですが、あのうねうねした古い戸籍の文字読み取り作業までAIに取られる、そんな時代がやってきそうです。
「文字が読めるだけ」では司法書士の代わりにはならないでしょうが、「審査」部分もAIならすぐに学習してしまうでしょう。
特定の人の戸籍入手をAIにいったん依頼したら、自治体システムと連携してあっという間に相続人の分まで全部そろい、相続分の算出や関係図なども同時に作ってくれるようになるでしょう。
マイナンバーで把握可能な遺産も自動入力、想定分割案まで作ってくれたりして。各相続人が電子認証をしてそのまま登記申請へ・・・となるかもしれません。
(もはや司法書士は介在していないではないか・・・。)
ただこんなに機械的に進めることができる相続手続は少ないでしょうね。
相続放棄とか限定承認をするかどうか、被相続人や相続人同士の関係や事情を踏まえた遺産分割案の提案とか説得など、人の感情に働きかける部分はやはり人間が担当することになるでしょう。
凸版のような技術は人の感情の交通整理に時間をかけられるようになるためのもの、ととらえたいですね。