投資用マンションで失敗、400万円の損失!騙されないための注意点

「不動産業者から投資用マンションを勧められた高収入サラリーマンやお医者さん」にぜひ読んでほしい記事です。

結論から言うと、その物件は買ってはいけません。

ここでいくつか質問です。

将来の年金代わり、節税になるといった営業トークをされませんでしたか?
不動産投資をして特別感、優越感を持ちたいと思っていませんか?
自分は資金力があるから今回の投資の提案があった、と思っていませんか?
不動産はよくわからないし勉強は面倒だから、親切丁寧な営業マンにお任せしたいと思っていませんか?
その物件、費用が収入を上回る、あるいは収支がほぼトントンのレベルの低収益物件ではありませんか?

一つでも当てはまるものがあれば、おそらくあなたは騙されています。

ちなみに、上記はそのまま以前の私にあてはまります。
購入したのは投資用ワンルームマンションでしたが、騙されて高く買わされているので、当然利益など出ません。
昨年、やっと売却しましたが、借入の残債と売却代金との差額400万円ほどを追加で支出しなければなりませんでした!!

以下、私のような損をしないために、経験上注意すべきポイントを解説します。

目次

「よくある営業トーク」に騙されるな

「年金はもらえません!終身雇用も怪しいですよ!!だから投資を!不動産投資はそんなあなたにオススメです!!!」

このような言葉に騙されてはいけません。

営業マンはあの手この手で物件を勧めてきます。知識も経験もないこちらとしては「なるほど」と思ってしまうのですが、冷静になって考えると理屈が通らない内容なのです。

営業トークその1 毎月の家賃収入が私設年金に!

まず、年間家賃収入から、借入金の返済額と管理費・修繕積立金、固定資産税額を差し引いてみましょう。

家賃+1,320,000円(110,000円/月)
借入金返済-1,080,000円(90,000円/月)
管理費・修繕積立金-108,000円(9,000円/月)
固定資産税-70,000円
62,000円(5,166円/月!)
計算例(年額)

固定資産税額は営業マンに聞いてみてください。当然物件により異なりますが、私が保有していた横浜市の30平米のワンルームマンションは年間約7万円ほどでした。

大した金額は残らないはずです。場合によってはマイナスではないでしょうか。これを私設年金といってよいのでしょうか??

家賃が全額手取りになるのは借入金全額返済後。だいたい25~35年後のはずです。

そのときには「私設年金」といってもよいのかもしれませんが、残っているのは現在の築年数+築年数25~35年が経過したボロ物件です。

さらに、収入と費用は時の経過により増減します。

家賃減少老朽化により家賃も減額となる
何よりずっと入居者がいるとは限りません。
借入金返済増加金利が上昇する可能性
管理費・修繕積立金増加老朽化による修繕箇所増加や物価上昇
固定資産税増加・・・税金ですからね

要するにプラス要素が減り、マイナス要素が増えるので、わずかなプラス(上記例では月5,000円)もあっという間に吹き飛ぶのです。

きゃしー

彼らは表面利回り(家賃/物件価格×100)が3~4パーセントの物件を平気で提示してきますが、そんな物件は絶対にNGです。
なお上記例の物件が3,000万円だとすれば、表面利回りは4.4%となります。

営業トークその2 売却すれば退職金代わりに!

まず、近隣の類似物件がどのぐらいの価格で売られているのかを調べてみましょう。

SUUMOなどのサイトで簡単に調べられます。

築年数が多少違ったとしても似たような場所、間取りで数百万円は安い物件がありませんでしたか?

新築:それだけで2割のプレミアムがついていると言われます。3,000万円の物件であれば600万円が新築プレミアムです。

営業マンは市場価格より高く売り込んできています。

すなわち、自分で探して中古で買えば数百万は安く買えるレベルの物件を、わざわざ「営業マンへの利益」と、「新築であればその分のプレミアム」を払って買うことになるということです。

2,200万円で同等物件が買えるのに、3,000万円の新築物件を押し付けてくる。これが彼らのやり方です。

スタートである買値が高いので、売却しても利益(残債以上)となるかどうかは定かではありません。当然売却は市場価格になるわけで。

きゃしー

「新築の方が入居者に人気がありますよ!」という営業マンの発言は無視しましょう。どの物件も新築なのは最初だけです。

ローンが終われば売却金額はそのまま懐に入ってきますが・・・それはローン期間終了後の25~35年後です。

物件も当然、老朽化しています。

わずかな「利益」を得るために(それもずっと得られるかどうかは不明)、入居者が入らないリスクなどを抱えながら物件を保有し続ける理由はないと思います。

きゃしー

営業マンは「ある一定の年数からはマンション価格は下がりませんよ!」とか言ってきますが、無視しましょう。そもそもその物件を高く買う理由がないので。

営業トークその3 生命保険代わりになります!

この目的で買っている人は多いようですね。

住宅ローンを利用した人ならおなじみの団体信用生命保険、いわゆる団信で、債務者の死亡時や重大疾病の場合はローンがすべて免除されて、相続されるという仕組みを使えばそうなる、ということのようです。

ここで営業マンの「保険は掛け捨てだけど、不動産は資産になりますから!」というダメ押しがあったりします。

ただ、その物件を買う、ということは、上記の営業トークその1、その2のとおり「将来損失を生むかもしれない物件を高値でつかまされている」ということです。

そもそもそんな物件を買う必要はないですよね・・・・?

きゃしー

確かに借入によるレバレッジがある、家賃を賃借人が払ってくれるという点は不動産のメリットです。生命保険代わり、というのであれば、こんな物件ではなく、表面利回りが最低でも8%は見込める優良物件をきちんと勉強して買うべきです。

営業トークその4 節税になります!

「給与収入だけだと経費化できないものも経費になります。確定申告すれば、節税になりますよ!」

税の仕組みや確定申告をよく知らない人(以前の私)は「そうか税金の還付があるのか」ところりと騙されがちです。

しかし、不動産購入にあたっては諸費用の負担も多いですし(登記関係、火災保険や固定資産税、不動産取得税)、結局払ってるのが戻ってきているだけとも言えます。

きゃしー

なお「諸費用はこちらで持ちますよ!」という業者はさらに怪しいです。
結局、その分は不動産価格に乗っかっています。

また経費といってもなんでも認められるわけではなく、この不動産投資に関するものだけです。なんでもかんでも経費にしてしまうと、それこそ税務リスクを抱えることになります。

そもそもそんなリスク含みの還付金を狙うより、そもそも「不動産を高値掴みで買わない」ことの方が重要で効果的です。

自分は特別な存在ではないことを認識する

「きゃしー様にぜひオススメしたい物件があるんですけど」

悪徳不動産業者はカモを特別扱いすることで、いい気分にさせて契約に結び付けます。

そもそも、なぜ自分にその物件の紹介があったのでしょうか?

高収入で運用する資産があるから?
高収入で節税の必要性があるから?

ちがいます。「知識がなくて騙しやすく、小金はあってカモになるから」です!!

年収1,000万円~2,000万円レベルのサラリーマンやら医者なんて世の中では富裕層ではないのです。でも本人は金持ちだと勘違いしているところが付け込まれるポイントです

そしてサラリーマンは毎月キャッシュフローがあり、多少出金があっても気にしない傾向があります。そういったお金の管理が緩いところも狙われているのです。

ずっと自身と取引があって馴染みのある業者ならともかく、一見さんとか、誰かの紹介とかのレベルで、いきなりそんな条件の良い物件を勧められるわけはないのです。

不動産投資のことをよく知らず、勉強するつもりもない人間を狙い撃ちにし、適正物件価格に2~3割ほど上乗せして荒稼ぎをしてくる輩なのです。

きゃしー

自分だけは違う、騙されないと思う傾向がある人ほど騙されています
営業マンは相手のプライドを絶妙にくすぐってきますので。

「不動産投資をして優越感を持ちたい」気持ちは営業マンに狙い撃ちされている

ワンルームマンション投資で騙されるのは、実はこの思考があるからだと思います。

副業が流行っているが、そのために時間を取るのは面倒。不動産投資であれば不労所得が入ってくる。副業としても人と違ってちょっと格上な気がする。それなりの収入があるから選ばれた人しかできない・・・などなどです。

営業マンはすべてお見通しです。そういう人間からは楽に数百万カモれるわけで・・・。

きゃしー

営業マンの笑顔とちやほやトークの裏で、実はただの金ヅルとしてかなり馬鹿にされているわけです。くやしくないですか?

営業マン相手に「知っているふり」をしたりするとさらに傷を深くします。早めに撤退しましょう。

「こんないい物件はもう出ない」「残りわずか」「今だけ」はない

「これはお得です」「こんな物件はなかなか出ません」「今なら当社が費用を負担します」などなど。

そもそも売り込まれている時点でお得さはゼロですが、そんな希少物件などあるわけもなく、仮にあったとしても私たちには営業してこないでしょう。

きゃしー

私も人気だと言われた物件を一度断った数日後、またしれっと営業されたりしましたし。

例えばこちらのサイト(楽待)を見てください。投資用物件なんて山のようにあるわけですよ・・・。

「え、ここから自分で選ぶの?融資とかの手続も自分でやるの?面倒!」という人は間違いなく嵌められます!!そこが営業マンの目のつけどころです。

楽に家賃収入だけ入ってくるわけないんですよね・・・もしそうだったらその営業マンが自分でやっていると思いませんか?

きゃしー

私の付き合った営業マンは自分では投資をしておらず、「営業マンは収入が不安定なので物件を買いづらいんですよね〜」とかなんとか言い訳してましたが、真っ赤な嘘でしょう。

営業マンが「いい人だから」「親切だから」「何でもやってくれるから」は買う理由にならない(むしろ危ない)

業者が親切丁寧、いい人そう、いろいろ説明してくれた、手間をかけさせたなどは一切考慮する必要はありません。

彼らはこの一件の売買で高く売りつけた分の数百万円を手にするのですから、そりゃ買主を丁重に扱いますよ・・・。

丁寧に扱われている理由、それはあなたがカモだからです。

きゃしー

判断基準はあくまでその物件が自分の投資の目的に照らして「よい物件か」どうかに尽きます。
逆に言えば、その判断ができないのであれば不動産を買ってはいけません。

儲け話は向こうからやってこない

不動産に限りませんが、向こうから「おすすめです」と近づいてくる案件で儲かることはないのです。

なぜ無知なあなたに不動産投資を熱心にすすめてくるのか?それはその業者がもうかるからです。あなたのためを思っているわけではありません。

きゃしー

私の場合は友人から業者を紹介してもらう形でしたが、そういう業者に自分からアクセスしてしまうとは・・・当時の自分をグーで殴りたいです。

不動産投資は不労所得が得られると言いますがとんでもない。

相続とか地主とかならともかく、自身で資産形成されている方は自分でリスクをとって、かつリスクをヘッジする努力をしています。そんな簡単に稼げるわけはないのです。

上記以外の危うい要素(新築、三為、サブリース)

これらの要素があったら完全に「赤信号」です。
これらの要素がなければ安全、というわけではなく、これらの要素があったらより危険度が増す、ということです。

新築物件である

既に述べた通り、不動産は新築だというだけで2割のプレミアム価格が乗っています。

一歩足を踏み入れたら3,000万円の物件であっても一気に600万円の価値が減る、ということになりますので、新築物件はコストパフォーマンスが悪いということになります。

また、新築物件は最初はそのプレミアムゆえに家賃が高く設定できますが、今後築年数が経つにつれて、家賃が下がるリスクがあります。

いわゆる「三為」による割高物件である

私の物件の例ですが、私が直接やりとりしていた営業マンの会社の前の所有者が何名かおり、さかのぼると最初はプロパティエージェントという会社が仕入れをした物件だったようです。

それぞれが利益をのせて転売をしている物件なので間違いなく割高になっています。

PA社およびその他の会社は、自分のためではなく、第三者、すなわち私の取引の直接の相手方のために物件の取引をした形になっているので、「第三者の為にする契約=三為」というわけです。

なお、この転売履歴は登記簿謄本には現れません。登記費用がかかるためです。登記簿上はプロパティエージェントから私が買った形になっています。

きゃしー

その物件を買う、ということは、値段に「それぞれの会社に支払われた利益分が乗せられている」ということです。あほらしすぎますね・・・。

サブリース契約を締結している

営業マンは「家賃保証です。サブリースをするということは、必ず入居者がつくいい物件だということなんですよ!」と言ってましたが・・・。

サブリースの実態は転貸借、すなわち所有者⇔サブリース会社⇔賃借人(実際に住んでいる人)という契約関係です

日本では借主の地位が貸主より強いため、このサブリース契約はいつ終了してもおかしくなく(サブリース会社からの申し出により)、また終了しなくても賃料減額交渉をしてくるといった可能性があり得ます

何度も言いますが、そんな物件にあえて手を出す必要性はありません。

最後に

このような物件は買ってしまったら手放すまでに苦労しますし、もちろん多額の損失も伴います。

もしまだ買う前だったら今すぐ断りましょう。多分営業マンはそれでも粘ってくると思いますが、損するのは自分です。何を言ってきても無視しましょう。

不思議なことに大概買ってしまってから気づくのですよね。買ってから何かおかしい、調べてみよう、となるのです。私もそうでした。
売却する際は市場価格以上であればよし、という気持ちで手放しました。なるべく高く売ろうとすると新たな被害者が発生しかねないので・・・。

もちろん高く買わされているので売却金額は残債額よりも少なく、差額400万円は自分で負担しました。高い勉強代になりました。

最後になりますが本記事は不動産投資自体を否定する趣旨ではありません。

私自身もワンルーム投資マンションの失敗を踏まえ、しっかりと勉強をしたうえで中古一棟アパートを購入し、そちらからは毎月ありがたくそれなりのお家賃をいただいております。

不動産投資を始めるにあたっては、うまく資産運用ができている経験者に客観的な意見を聞くことができればベストですが、不動産投資に関する本を読んだり、セミナーにも積極的に参加して自分なりに投資物件を評価できる知識は絶対に必要です。

ただ、セミナーはその業者の利益のためのものではないか、の見極めも必要です。本当に怪しい業者が跋扈している業界なので、「大手でも最初は疑う」という姿勢でちょうどよいと思います。

この記事を読んでいるあなたが、私やこの動画の相談者のように悪徳業者のカモになり、餌食とならないことをお祈りしております。

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ちなみにこの物件についてはこちらの「大島てる」事件もありました。↓

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